ラボレポ Vol.3 素材と作りについて考えよう
2015.9.18
靴選びで困っている女性の憂いを晴らして、イキイキとすごしていただくために。より履きやすく、おしゃれで、疲れにくい靴の研究・開発を重ねているのが、このジュリアシューズ・ラボ(通称:ジュリラボ)。
第3回目のテーマは「素材と作りについて考える」です。

前回は、パンプスの形によって足にどういった影響が出るかを調べるために、女子大生スタッフに履き比べてもらいました。
今回は、パンプスの素材や作りによってどういった影響が出るのかを探っていきます。
まず素材について。
所長によると、パンプスの素材には大きく3つあり、それぞれにメリット、デメリットがあるそうです。

ひとつは革。
通気性がよく、素材一つ一つの風合いが違い、長期間履いているとその革独特の味が出てきます。また革は柔らかく伸びやすいので、フィット感が出やすいのも特徴。さらに修理が容易なので長く使う事ができます。
反面、表面が傷つきやすく、手入れをしないとくたびれてしまう事、さらにコストが高いことがデメリット。
2つ目は、合皮です。
表面が強く、傷がつきにくいので、こまめに手入れをしなくても大丈夫。また革と比べて軽量で、コストが低く、加工が容易なので、デザインが豊富です。
デメリットとしては、革と比べると風合いや味などが表現できず、見た目が他のものと同じになりがち。ムレやすく、伸縮性があまりないので、足にフィットしにくい、革と比べて長持ちしないなどの特徴があります。
3つ目は、人工皮革。
ほどよく通気性があり、素材が軽く、コストは革ほど高く無い事、それに加えてストレッチ素材など、素材にバリエーションがある事がメリットとして挙げられます。
デメリットがないように思われるかも知れませんが、突出したメリットがないとも言えます。

次に靴の作りについて。
前回、ヒールの高さや、足先の細さなどで足への負担が変わることが判明しました。
所長によると、ヒールは高さだけではなく、形によっても足に与える影響が変わるのだそう。
細めのヒールは、地面に接する面積が少ないので、歩き方が難しく、履き慣れるまでに時間がかかります。体重が前に乗りやすいので、足先が痛くなりやすいのです。
少し太めのヒールは、幅があるため、細めのヒールよりも安定性があり歩きやすいとされています。体重を後ろにかけやすく、足先が痛くなりにくいのも特徴です。
土踏まず部分にくぼみがないウェッジソールは、重心のバランスがとりやすく、底面に厚みがあるので、足が全体的に痛くなりにくいという良さがあります。

これらを踏まえた上で、女子大生スタッフに、就活パンプスに求める事、譲れない事を話し合ってもらいました。
一番は、足が痛くならない事。
長時間歩く事が多い就職活動において、痛みはどうしても我慢できないポイントです。
さらに見た目より、履きやすさが優先。
見た目だけで選んで失敗した経験からくる、リアルな要望。けれど、あまりにも安っぽいデザインだと、いくら履きやすくてもダメという意見もありました。
トレンド性は重視しないが、最低限の見た目は欲しいということです。
値段は、5000円までが理想的。
就職活動用と割り切って使うものなので、あまり高いとどれだけ履きやすくても、悩んでしまうという意見がありました。
そして、ムレにくい事。
長時間履きっぱなしなので、パンプスの中がムレて、どうしても途中で脱ぎたくなるそうです。
最後に立ちっぱなしに強いパンプスが欲しいという事。
底が固いと説明会などでは、疲れてしまうという意見でした。

以上5つの中から、絞り込んで3つ挙げるとすると?という問いかけに、
「痛くならない事、見た目より履きやすさ、値段は5000円まで」の3点だと、女子大生スタッフは結論づけました。
次回は就活パンプスに求める点を、実際の靴作りの観点から、さらに具体的に話し合っていきたいと思います。