ラボレポ Vol.6 理想とするパンプスの形
2016.2.29
靴選びで困っている女性の憂いを晴らして、イキイキとすごしていただくために。より履きやすく、おしゃれで、疲れにくい靴の研究・開発を重ねているのが、このジュリアシューズ・ラボ(通称:ジュリラボ)。
第6回目のテーマは「理想とするパンプスの形」。「こんなパンプスがあったらいいなぁ」とそれぞれが思い描いているパンプスをスケッチしてきてもらい、みんなで意見を出し合いました。

まず、女子大生スタッフがそろって目をつけたのは、つま先の形状です。理想的なパンプスを探っていくうちに、つま先の形状が見た目に大きく影響することに気づいたようです。


パンプスのつま先の形状は、丸型(ラウンドトゥ)と四角型(スクエアトゥ)という2種類に分ける事ができます。丸型は少し野暮ったい印象があり、四角型は足先がシャープに見えてキレイなイメージある、というのが女子大生スタッフの意見でした。
また、女子大生スタッフの高田さんからはこんな意見が。
「このラボに参加してから、足元を気にすることが多くなりました。パンツスーツには四角型のつま先を、スカートには丸型のつま先を選んでいる人が多いような気がします。スーツのスタイルによって、足元がキレイに見えるつま先の形状があるのでしょうね」
すると所長は、
「四角型は特にビジネススーツに合わせやすく、ベーシックな丸型はカジュアルからビジネスまで、シーンを選ばずに使えます。その差が、スーツのスタイルによって見え方が変わる要因だと思いますよ」
と教えてくれました。
さらに、つま先が少し上がっているか下がっているかも見た目に影響する、という意見が出ました。
これについては、靴作りのプロとして、所長からこんな話が。

「つま先を上げると、バランスをとるためにヒールを少し低めに作る必要があります。高さが抑えられる分、疲れにくく、さらにつま先が上がっているので、てこの原理が働き、つま先に力が伝わりやすくなります。ですので、つま先が下がっているよりも歩きやすくなります。デメリットとしては、歩く時につま先が下がり、革が引っ張られる形になり、かかと側が締まるので、足が痛くなりやすいんです。」

「パンプスは、つま先が上がりすぎているとキレイに見えません。かと言って、まったくつま先が上がっていないベタ底では、つまずきやすくなるので、ボールペンが1本、すっと入るぐらい上がっているのが理想です」
次に注目したのは、つま先から履き口までの深さ。

女子大生スタッフからは「つま先から履き口までが深いとキレイに見えない」「野暮ったく見える」「浅いほうがシャープに見えていい」という意見が出ました。すると所長は、

「若者向けの靴は、つま先から履き口までを浅めに作ります。少し年配の方向けの靴では、深めに作る事が多いんです。あまり意識したことのない部分かもしれませんが、わずかな違いで靴の印象は変わるんですよ」と説明。
パンプスの研究を重ねて、女子大生スタッフの靴を見る目が養われてきていることにおどろきながらも、嬉しそうに話してくれました。
次の議題は、ヒールの高さについて。

ヒールは、ある程度高い方がシャープでキレイなラインになります。7cmが理想的だという意見が多く聞かれましたが、今までに得た知識と体感から、ヒールは高ければ高いほど疲れやすく、足先に負担がかかるのは事実。5.5cm〜6.5cmが見た目の美しさと履きやすさを兼ねそなえる境界線ではないか、とみんなの意見が一致しました。
続いては、ヒールの太さについて。
「ヒールは、細い方が足がキレイに見えるけど…。細すぎると、体重のかかる部分がかかとではなく、つま先側にスライドするよね。体重のかけ方が難しくて疲れやすいし、悩みどころ」
「太めのヒールだと、体重がつま先側へはいきにくいから、疲れにくくて長時間履いていられるよね」
「でも、見た目は細い方が足もスラッと見えるし、シャープな印象になるから、私はなるべく細めがいいな」
「就職活動中って、長時間パンプスを履きっぱなしだから、見た目はちょっと我慢して、疲れにくい方がよくない?」
ラボがスタートした当初は見た目を気にしていた女子大生スタッフからは、ラボを通して得た知識から、見た目だけではなく、足への負担や履きやすさを重視した意見が次々に飛び出しました。
ここで所長から、ヒールは、太さ以外にも形状によって靴全体の印象を変える、という話がありました。これには実際に履いて見てもらった方がわかりやすいということで、ジュリアシューズのパンプスを女子大生スタッフに履いてもらいます。


2種類のヒールを履き比べた女子大生スタッフたちは、「丸型はパッと見が太めだけど、先が細くなっているからそんなに太さを感じないね」「四角型は、丸型と比べると細く見えるけど、後ろから見ると太く感じる」「丸型の方が、地面との接触面が広いから、四角型に比べると安定感があって、歩きやすく感じます」「少し工夫するだけで、見た目もよく、歩きやすい形にできることに驚きです」と、思い思いに感心した様子。
「丸型も四角型も、どちらも捨てがたいけど、丸型の方が歩きやすく、見た目もキレイな印象を受けたので、丸型のヒールを就活パンプスに取り入れたい」という意見でまとまりました。
次回は、ジュリラボで1年以上かけて女子大生スタッフが考え出した「つま先があまり上がっておらず、四角型で、つま先から履き口は浅め。ヒールの高さは5.5cm~6.5cm、丸型で、少し太めではあるものの、先へいくほど細くなっていく」理想的なパンプスの試作品のお披露目です。